提案型ウェブアナリスト対談企画・番外編　業界第一線で活躍するアナリスト・小川卓の素顔に迫る！前編

イミトモ：いつも卒業生について色々聞く企画なのですが、今回はこのメンバーで小川さんのことを聞ければなと。

井水大輔：せっかくなので、まだ他では話されていないことを知りたいですねぇ！

小川卓：もともと海外滞在が長くて、親の転勤で家族そろってカナダやアメリカに行き、イギリスに行ったのが中学3年の時でしたね。現地で大学を受験して卒業するまで滞在していました。

大学は？

ロンドン大学（University College London)というところで・・・

めちゃくちゃ有名なところじゃないですか！何を勉強していたんですか？

化学と数学でごりごり理系でしたね。大学に入った2000年頃にパソコンやインターネットに出会って、ウェブサイトを作って・・。

ウェブサイトはどんなものを？

日本のアニメ『スレイヤーズ』のファンサイトを作ったんですよ。英語で海外の人向けに。

なるほど。

そこで出会ったのが今の奥さん。

大学時代に出会ったんですね。愛さんもその頃からパソコンを使っていたとは、大分早いのでは？

小川愛：父が好きだった影響で、当時から私もホームページを作っていましたね。卓ちゃんが作曲してMIDI（音楽ファイル形式の一種）をアップしていたので、それを使わせてほしいというのがきっかけで知り合いました。

イギリスの学士は3年間なので3年間通って、その頃には親も日本に帰ってきていたので日本に帰ってきて、早稲田大学理工学部の大学院に2年間通いましたね。

学生時代は真面目でした？

うーん、60％の努力で85点とるタイプかな。

ムカつく！チラ

当時から要領よくポイントを押さえるタイプだったんですね。

新卒でどこにいこうかなと思った時に、やっぱりこれからはITだなと。自分の使っているパソコンはMicrosoftだな・・・と思って、マイクロソフトを受けました。

一社だけ受けて、決まったんですか？

他にもいくつか受けたけど、一番最初にマイクロソフトの内定がでましたね。面接が少し特殊で日本のある車メーカーのディーラー数を推定せよ、みたいな問題があったんですけど、私はそういうのは得意だったので・・。あとは最後に英語で自己紹介をしたら受かりましたね。

ペラペラですもんね。

一度聞いてみたかったんですけど、私も大学で化学を専攻して、社会人になってからマーケにきたわけですけど、今までやってきたことをある意味手放したわけじゃないですか。それに抵抗はありませんでした？

全然(笑)　好きになっちゃったからね！

潔いですね。好きになったらやめられないと(笑)

キャリアについてはいつ頃意識し始めたんですか？

2社目のウェブマネーあたりかな？

なんでウェブマネーに入ったんですか？マイクロソフトに入ったら、普通は簡単に辞めないですよね？

自分で手を動かしてウェブマーケをしたくなって、転職した感じですね。

当時、愛さんから反対されたりは？

ないですね、好きなことをすればいいと思う。

結婚をしていると、奥さんOKをもらえる・もらえないっていう話題になりますけど・・。

あんまり相談しないよね(笑)

うん、互いの生き方の相談をしないよね。

それまではメルマガを書いたりHTMLコンテンツを作ったりしていたんだけど、ウェブマネーでアクセス解析ツールと出会ったんだよね。

それは何年頃？

2005年だから、Googleアナリティクスが生まれた年。ビジョナリストという国産のツールがあるらしいぞとなって、ウェブマネーで入れたんだよね。そしたらメルマガの反応も見られるし、ウェブサイトにも何人訪れているかわかるぞ、これはすごい！となって。

当時は今と違って、ユーザーの反応がわかること自体が画期的でしたよね。

あの頃はウェブサイトにカウンターをつけられて、それで何人目の訪問者ですっていうのがあったよね。

CGIですね。

結局、ウェブマネーに3年いて、もっと大きなサイトでやってみたいと。その時リクルートがビジョナリストを使っていたので、完全にツール採用で転職できました。ツールを使っていてよかったなと。

本当に面白いからという理由だけでそっちにいこうと？

そうですね。

リクルートに入って全社のビジョナリストを見るようになって、そのころ2008年頃からブログを書き始めましたね。

当時まだアクセス解析でブログを書いている人が少なくて、本当に数名だったんですよ。

それで対外的に「アクセス解析の人」になっていったんですね。

声をかけてもらうようになりましたね。a2iの団体の立ち上げにお声がけいただいたりとか。大内さん、大角さん、衣袋さんあたりと出会ったのもその頃で、お、なんか楽しそうだなと。

ウェブサイトを見てくれたソフトバンククリエイティブの編集者が声をかけてくれて、書籍を出版したのもその頃でしたね。

分析についてアウトプットをしようと思ったのは、昔からウェブサイトで発信していた影響ですか？

絶対それ。ゲームの売上分析ブログを書いたりとか、家庭用ゲーム機のサイトを7名くらいでやったり、なんでもドリンクレビューをやったり。

あの頃、すごく変わったものをよく飲んでいたよね(笑)

ちょっと変わったものじゃないとアクセス増えないからさ(笑)

YouTuberと同じ発想だよね。

最近よく聞く「推し活」のある意味ハシリですね。

そうそう、1998年に作ったスレイヤーズのファンサイトも、海外の人に自分の好きなゲームを知ってもらいたいっていうね。

新しいもの好きっていうわけではないんですか？

たぶん発信が好きだったんだと思う。反応が来るのが楽しくて、発信し続けてもそれが苦にならないタイプ。

インターネットが出てくる前も発信していたんですか？

していなかったね。だからこそインターネットはすごい！と驚いたんだと思う。小6から中3まで日本にいて、そこから海外に行ってお別れするわけじゃないですか。はじめはお手紙でやり取りしていたんだけど、どうやらインターネットというものがあるらしいぞ、ほぼタダで全世界に発信できるんだっていうのに面白さを感じて、自分がいいなと思ったものを他の人と会話したりするのが楽しく感じましたね。

当時、イギリスに日本の中学生とめっちゃ会話している変な大学生がいるぞとなって。

当時愛ちゃんは中2で、7歳年下だったからね。

もともとお友達の紹介で卓ちゃんがやっているサイトにいったので、最初は友達がからんでいたんですよ。今思えば、中学生と大学生って当時のインターネットだからできたことですけどね・・(笑)

これも情報を発信していたのがきっかけだったというわけですよね。それで分析もできたら最高だな！と。

情報発信が楽しくて分析も知的好奇心が働いて楽しいぞっていうのの他に、キャリアとして「有名になりたい」とか「給与をあげたい」とかは考えていました？

全然なかったね。リクルートに入ってブログを書き始めたのも、リクルートのアクセス解析で学んだことをブログに書いていただけなんですよね。アウトプットすることで、自分の理解になるから。当時は本が書けるなんて思ってもいなかったしね。

他人からどう思われるとか、どう評価されるとかをマジで気にしない人なので、特定の個人に認められたいっていうのはないよね。でもマスに発信するのは好きで、だからインターネットに向いているんだと思う。だれかにコメントをもらっても興味ないけど、いいねがたくさんついたら喜ぶよね。

そうそう(笑)　だれかにっていうのを意識しないし、師匠もいないし、尊敬している人もいない。もちろんすごい詳しいな！と思う方は沢山いますが。

同業他社のことも本当に興味ないよね。自分と同じことをしている人に興味がないってすごいなと。

でも、自分と同じ分析する人を育てて増やすっていうことはできているわけじゃないですか。

大勢の人に教えることができれば、ある確率で出来るようになってくれる人がいるわけじゃない？それが100人に教えるのと5万人に教えるのだと違ってくるわけじゃない？だから誰かを育てたいっていうわけではなくて、育てるために必要な情報は惜しみなく出すし、今のGA4のサイトもそうだし、講演でも話すし。あとはその人次第じゃん。

それはそうですけど、やったら何かが良くなると思ってやるわけじゃないですか。

最終的にはインターネットが良くなればいいと思ってる。私がインターネットを快適に使いたい！！

それってちょっと遠すぎません？なんか納得がいかないような・・。どこからそのように思い出したんですか？

どこからというよりかは、自分がやっていくうちに思い出した感じかな。ベースとしてあまりお金に興味がないからね・・・。

ある一定以上を稼げればって　いうことですよね？

そうそう。

物欲がないよね。

あるのは食欲だけ。

今おふたりの役割分担は？

私が家の外のこと、奥さんが中のこと。

家事は全くしないんですか？

しないね。ゴミは出す。

え、今お住まいってマンションですよね？マンションだったらごみ捨てはごみ置き場に行くだけじゃないですか。

小川卓は普段はごみ捨ての時じゃないとお外にでないんです。

オンライン時代の申し子ですね(笑)

完全に役割は分かれているんだよね。

結婚してからお料理も全くしないってことですか？

「火をみといて」って言えば、みてくれるよね。

そうそう。

バイト1か月目ですね(笑)　難しいことになるとちょっと聞かないといけないみたいな。

全部任せているから、家のことは全然わからない。

小川君は洋服の位置もわからないですね。

奥さんが旅行に出かけたら生活できないやつですね。（そしてなぜいきなり小川クンw）

奥さんが3日間旅行に行くときは、3日分の洋服がちゃんと置いてある。

すごい！！

それは小川さんの仕事の効率を突き詰めるため？

卓ちゃんの場合、使いたくないリソースを割きたがらないのが極端なんだよね。

もしも奥さんがいなかったら、同じＴシャツを何枚も買っておくとかね。

もしくは家政婦を雇うとかね。会社のことも秘書の工藤さんに委託しているし(笑)

自分の仕事以外はすべて他人に委託している感じ。

だからちゃんと出稼ぎしてくる、とね。

出てないやろ(笑)

そうそう、家稼ぎだった(笑)

お二人って喧嘩したりするんですか？

私が怒ることはあるよね?

そうそう、私は怒るイメージないでしょ？家でも怒らない。

その代わり怒ったらめちゃくちゃ怖いとか？

最後に怒ったのはいつかな。親に崎陽軒のシウマイ弁当のあんずを食べられたことくらいじゃない？好きなあんずを最後に残して置いたら母がヒョイって食べられて！あれは一生の恨み(笑)

シウマイ弁当を見かけるたびに思い出すのがつらい(笑)

食い意地(笑)

愛ちゃんってなんで怒っているんだっけ？私も怒られたことは右から左だからさ・・。洗濯物をいれてとか？

こんな小学生レベルのことができないなんて！ってヤツですか？

そうですね(笑)

服に興味もないし、洗濯にも興味ないのでね。

卓ちゃんはUNIQLOのシャツを買って置いておいたんですよね。昔ってUNIQLOはサイズのシールが貼ってあったと思うんですけど、そのシールを貼ったまま出かけて行っちゃうんですよ。

それくらい服がどうでもいいっていうことなんですね。

興味がないにもほどがある(笑)

今日のシャツはアクセス解析をイメージしています。

グラフが書かれてる！！

ポケモンなんですけど、オーダーメイドできるんですよ。

勝手にオーダーされてる・・(笑)

されているんではなくて、していただいているんですよ！

よくわかってらっしゃる。卓ちゃんが30万円払って講座で教えてもらってきてよ(笑)

小川さんはサイトのユーザー心理を読み解くのは得意なんですけどね・・

分析しないとだめだから・・(笑)

プロポーズはどちらから？

付き合いたいっていうのは愛ちゃんからだよね？

高2の時・・。私は卓ちゃんのことが大好きだけど、卓ちゃんはそんなにだよね。

そんなことないですよ～(笑)

でもプロポーズは卓ちゃんからしてくれたよね？

いつ頃でした？

（小声で）言えないかも・・

私はまだ24歳だったんですけど、卓ちゃんが30歳超えてこのまま歳とっていかせるのってアレかなと思って、そろそろ結婚する？っていう空気を出したら、プロポーズしてくれたっていう感じだよね・・・あれ、覚えてない？

覚えてないね・・。

指輪は用意したんですか？

指輪はお互い装飾品に興味がなくて、付き合い始めの時に買った指輪をつけ続けている。結婚指輪を買うよりかは、いいところに旅行に行きたいなと。

私が17歳の時にマルイで買った指輪をいまだに着けています。

いやいや、両方買おうと思えば、買えるわけじゃないですか。

でも興味がないものにわざわざお金をかけるのは・・・

そのレベルですか！？

やばいよね(笑)

ちなみに結婚式はしました？

したけど20人くらいの身内だけで。

23人！

そうそう、付き合い始めてちょうど100か月目の平日で、2010年6月14日だ！

数字だけはめっちゃ強い(笑)

なんで覚えているかっていうと、その日の夜にワールドカップの試合があったから、午前中にやったんだよね。

2次会なし。全員帰ってワールドカップを見ましょう！と(笑)

小川さんってサッカーが相当好きですよね。ワールドカップの日は大抵TwitterやFacebookに投稿しているなと。

イギリスに住んでいたからね。

サッカー部でした？

小学校の時にやってた。中学校では陸上を。

陸上？

信じられないよね？

この体型だもんね(笑)

種目は何を？

長距離走やってた。

えー！？長距離やっていたら一生太らないじゃないですか。長距離やっている方って、私は一生走るんだみたいな方が多くないですか？

やっているうちはそうよ？でも一生とかは全然なかったね。

スポーツは見るほうが好きだけど、やるのは好きじゃないよね。

疲れるからね。

そしたらなんで長距離だったんですか?!

なんでだろうね(笑)

歩くスピードは早いですよね。

そうそう、歩くのとしゃべるのはめちゃくちゃ早い。

しゃべるのはセミナーの仕事とかでもよく言われるね。

時間を長くする意味を感じないんですよね。

そこは効率を考えるのでね。

それで緊張もしないんだったら、もはやAIですよ。

たしかにAI的なところはあるよね(笑)　これからの解析業界をよくするには卓くんをAIにすればいいんじゃない？

誰かがそれをやらないといけないじゃん。

最終的には卓君がＡＩになれば・・

脳をインストールする研究とかされているから、いつかは・・(笑)