S.E.Onetop合同会社 滝口誠 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談(1)滝口さんのお仕事内容と地方のリアル
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HAPPY ANALYTICSの小川卓対談企画。第三回のお相手は、提案型ウェブアナリスト育成講座第3期卒業生で、S.E.Onetop合同会社代表の滝口誠氏。
最初のテーマは『滝口さんのお仕事内容と地方のリアル』
SEOに特化した制作会社として活躍する滝口氏の仕事ぶりについて迫ります。
対談のお相手
滝口 誠
Makoto Takiguchi
滝口 誠(たきぐち まこと)Iターンで山形県東根市へ。S.E.Onetop合同会社代表取締役、Code for Yamagata代表。SEOに特化したサイトやコンテンツの制作を手がける。2019年提案型ウェブアナリスト育成講座第3期修了。
進行役はエスファクトリーウェブディレクター兼HAPPY ANALYTICS 広報の井水朋子が務めます。
会社をはじめた経緯
滝口さんのお仕事や活動内容について教えてください。
SEOに特化したコンテンツやサイトの制作をしています。中でもコンテンツSEOに力を入れ、そこから派生する業務全般を行っています。
会社をはじめた経緯は?
山形で新卒から25年間金融機関に勤続し、当初はシステム部門でプログラマをしていました。営業・融資貸付・ホームページ制作などを経験して、ある時、体調をくずして、妻に「さすがに、やめたら」と言われたのをきっかけに退社したんです。
お、奥さんネタですね(笑)
前回の田島さんに引き続きですね(笑)
その頃、妻がクラウドワークスでライターとして働いていたので、誘われるままに金融専門の記事を書くようになりました。当時はまだWELQ問題が明るみになる前で、DeNAさんによくお世話になっていたんです。記事の依頼時にレギュレーションがくるんですけど、内容は公開できませんが、レギュレーションを見るとSEO対策に関するものばかりだとわかりました。そこでSEOライティングの知識が身につきました。
こういう風に書くように、こういう風に書かないようにとかですね。
あとは、Twitterを埋め込みましょうなど、色々と。前職時代にSEOもしていたので、ある程度知識があった上に、コンテンツSEOの実務的な知識が身についていきました。そこで独立して口伝えで紹介を受け、自分と妻は個人事業主として食べていけるようになりました。
会社を立ち上げた時は、どういう感じでした?
実は法人にしたきっかけというのが、前の年の収入の関係で国民健康保険の金額が上がりすぎてしまって、慌てて法人にしたんです。私が定款などをすべて作って、総務スタッフに1週間で法人にしてもらいました。
税金対策ですね。私も同じで、秘書の工藤さんにやってもらいました(笑)それにしても、1週間とは短い。
さすが金融出身(笑)
結構バタバタしました。合同会社にしたのもそういう理由です
その時も奥さんと二人ですか?
総務スタッフのほかにデザイナーさんとライターさんも入れて、妻がシステムに強いので制作もして、一通りできるように5人体制にしました。外注さんで能力が高い方に声をかけました。
今は結局、何名体制ですか?
最大で9名までいったんですが、1名は体調不良でやめてしまったので、今は8名です。私と妻を合わせると10名体制。社外スタッフとして、映像部門とデザイン部門で1名ずついます。
万全ですね!
…のはずだったんですけど、消費税の増税(※編集注:2019年10月施行)から仕事が激減して、その後コロナが来てしまったので、大打撃です。
コロナの影響はどんなですか?
月商も一時期多い時は250~300万円までいったんですが、広告に関する記事(ランディングページ)が減ったので、先月は30万円です。今はすべて持ち出しで雇っている感じですね。仕事はあるけど売り上げが立たない、忙しいけど入金はないという状態が続いています。
1/10とは、結構影響ありましたね。
そうですね。オフラインの仕事もしているのですが、今はポスターやチラシのデザインが忙しいので、デザイナーさんが忙しいですね。
去年までは100%首都圏でコンテンツ制作をしていたんですが、コロナウイルスのこともあり、春先から地元に切り替えようと思って、男性の編集スタッフに営業してもらっています。
地元はどういう風に営業するんですか?オンライン?テレアポ?
オンラインは絶対メールくれないし、テレアポも絶対つなげてくれないですね。
ですよね。
市の助成金をもらってサイトを作りますよと広告をまいて、地元のお客さんを少しずつ増やしています。今まで多かった編集(広告とLP)の仕事は減りましたが、制作の仕事が増えて忙しくなってきた感じです。
専業にすると、そのあたりのバランスがとりづらくなるよね。この1、2か月くらいの近況はどうですか?
首都圏のお客様から話が来ていて、そこから仕事がつながるかどうかという感じですね。春先よりも増えている感じがします。
地元の仕事は、昨年から横ばいですね。ホームページを作りたいところは作るし、作らないところは作らない。あとは広告をしているところは元々ほとんどないですね。
今後、編集と制作のどちらを伸ばしていきたいという方向性はありますか?
編集も制作もバランスよくとっていきたいし、地元の制作も伸ばしていきたいですね。
短大の非常勤講師について
短大の非常勤講師は何がきっかけですか?
娘と同級生の保護者でプログラマをしている、テレワークマネージャーとして地元で有名な方がいて、その方の跡継ぎのような形でもらい受けました。WordPressとCSSを教えていて、今期はこの間終わりました。
私もデジハリで教えていますけど、学生さんに教えるって難しくないですか?
私のところは保育士になりたい学生さんの学校のビジネススキルを付ける学科なので、単位を取りたくて授業を取っている学生さんが多いですね。だから聞いてもらいやすいように、授業も実習メインにしました。一応寝たり聞かなかったりした子はいなかったですね。ただ、コロナの影響もあって授業の前半がZoomでやることになりまして。
私も今まではリアルで御茶ノ水で講義していたのですが、今年の12月からの講義は完全にオンラインになるんですよね。アドバイスください。
生徒さんの画面をオフにしてしまったんですけど、画面を切ってはだめですね。反応が全然わからない。復習の回もあったんですが、自習で教科書読んでくださいと、10~15分後に質問してもらって、その質問内容をフィードバックするやり方はよかったなと思っています。
積極的に参加してもらうやり方がいいということですね。よいことってありました?
中には、「やるなぁ!」っていう子がいるのを見られましたね。
授業はそれが楽しみですよね。
この人、もうちょっと続けたらいいんだけどなーって思います。ただその後に学ぶ場所がないというのが残念ですね。
デジハリは半分が社会人なんですけど、働いている人は本気ですね。あとは中国など海外から留学できている人も多いです。
デジハリさんはそうですよね。私も前職の頃に通っていました。たしかに明日から仕事で使うぞという感じで聞いていました(笑)
地方のリアル
地元と東京のお客さんで違いはありますか?
全体的なレベルが違いますね。お客さんに知識がなくても制作会社は困らないし、制作会社もお客さんもウェブに関する知識をとりにいかないんですよね。
需要側も供給側も知識が少ないということですか?
そうです、それを変えたいですね。地方にいることのデメリットだととらえています。わかりやすい例が、県や市の受託業務。高い税金を払って中身がスカスカなものを作っている。コーディング技術も約10年前のままのこともしばしばで、デザインの見た目だけが今っぽくなっている感じです。でも裏を見るとSEOも含めて「この書き方でお金をもらっていいの?」と感じます。
市の受託案件はどんな感じでくるんですか?
入札の封筒がくるんですよ。紙面で条件が書いてある時も、条件すら書いていない時もあります。こういうものを広告したい、紙の大きさ、厚さ、何枚で納期はいつまで。そんな感じのものもありますね。
ウチでも、一昨年、広島県庁の新規ホームページ制作に関する依頼がありましたね。その時はホームページの制作は制作でも、公募するときの要望書を作るお仕事でした。要望書を作るのって意外と難しくて県ではできないですからね。
私がいる山形県の東根市と隣の村山市のサイトの中身をみたんですけど、特に東根市の観光物産のサイトは作ったばかりだったんですが全然呼び込めていない、SEOもできていないし、おまけに最近までHTTPSになってもいないんですよ。
一同:(笑)
この事例に限らず、山形の企業は、不思議とHTTPが多いんですよね。去年や今年に作ったものでもHTTPですよ。
お問い合わせフォームとかはあるんですか?
ありますね。
それは誰がケチっているんですかね。
制作会社が面倒臭がっているんでしょうね。無料でも証明書を取ってあれこれ設定が必要になるから。
そういう状況をお客さんに言っても、「うちは大丈夫」って言うんです。いやいや、メールを送信する人のセキュリティーを守るものですよと(笑)そういうことがなかなか通じないですね。
そういう課題を感じられる中で、うまく変わったパターンというのはありますか?
どうやったら突破できるかなと気になりまして。
地元の案件ではないですね。地元の作ったところでお問合せが1,000%UPになったところも、0に近かったのが毎月3件来るようになったところもあるんですよ。
それに対して手ごたえみたいなものはないんですか
何もないですね。「あ、そうなの?」程度です。地元のお客さんは、不思議なことに無頓着なんです。
そんな中で提案型ウェブアナリスト育成講座を受けようとする滝口さんの考えをぜひ聞いてみたいです。
次回以降では、提案型ウェブアナリスト育成講座を受けようと決意した経緯や、講座の内容の活かし方にせまります。
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S.E.Onetop合同会社 滝口誠 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談(2)
提案型ウェブアナリスト育成講座について