Update cookies preferences 五味 一成 × 小川 卓 対談 (1)勉強アプリから始まったSEOコンサルタントのキャリア | 株式会社HAPPY ANALYTICS

五味 一成 × 小川 卓 対談 (1)勉強アプリから始まったSEOコンサルタントのキャリア

SEOコンサルタント 五味 一成 × 小川卓 対談 (1)勉強アプリから始まったSEOコンサルタントのキャリア

HAPPY ANALYTICSの小川卓対談企画。

第16回のお相手は、小川卓主宰の提案型ウェブアナリスト育成講座第7期卒業生でSEOコンサルタントの五味一成氏。全3回でお届けします。

※本対談は2022年2月に行われました。

対談のお相手

五味 一成
ごみ いっせい

フリーランス・SEOコンサルタント

現在大学進学希望する高校3年生の2人に1人が利用する教育アプリ「Studyplus」のスタートアップを経て、フリーランスのコンサルタントへ。SEO領域を中心に、KPI改善のコンサルティングを行う。提案型ウェブアナリスト育成講座7期卒業。

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Facebook @isay53

進行役はエスファクトリーウェブディレクター兼HAPPY ANALYTICS 広報のイミトモが務めます。

(1)勉強アプリから始まったSEOコンサルタントのキャリア

学生時代にスタートアップを経験した勉強アプリ

五味さんとは提案型ウェブアナリスト育成講座7期で同期だったので、なんとなくどんなお仕事をしているのかとか知っているんですけど、改めてキャリアの始めの頃から聞かせてください。今って社会人になって何年目なんですか?

大学4年生の時にスタディプラスという会社を始めていて、そこから独立してフリーランスを10年ほどやっているので、11、12年目ですね。

スタディプラス?

勉強SNSなんですけど、当時その前身になるスタディログという勉強管理アプリを作っていたんですよ。

なるほど。それを始めた経緯は?

もともと大学生の時からガクナビという学生団体・学生NPOの検索サイトを作って運営していたので、同じくらいの大学生からなんとなく知られていて、そこでスタディプラス株式会社(当時株式会社クラウドスタディー)代表取締役の廣瀬さんから声をかけていただいきました。Twitterで会ってみましょうよと言われて。

当時ってまだTwitter利用者数が少ない始めの頃ですね?

Twitterがきたのが2006年だから、まだ「〇〇なう」と、つぶやいていた頃だよね。

懐かしい(笑)

当時、アプリを作りながらも受託のマーケティングを受けたり、サービスのプロモーションも考えないといけなかったので、ウェブマーケティングに詳しくなって。そこで数年働いてスタディープラスを辞めるとなった時、正直、私自身何をするかわからなかったんです。でも、手伝ってと声をかけてもらって、何をするのかと思ったら集客やSEOだったんですよ。それでお金がもらえるんだということがわかったので、集客やKPIを改善するフリーランスになって、今に至ります。

その時、別の会社に就職しようという考えはなかった?

集客やSEOを手伝っているうちに就職する流れではなくなりましたね。当時はリーマンショック後の就職氷河期だったので、ひとりでやっていく方がおいしいんじゃないのと思いました。

一人でやっていく上で不安はなかったと?

会社の中でやっていくよりも・・・いけそうだなと(笑)
なんでかというと、大学受験の時に結構頑張ったんですけど、そんなにいい大学に行けなくて、自分は要領がいいほうではないんだなとわかったので。だから他の人と同じ土俵で戦うよりも、抜け道で戦った方が自分には合っているのかなと、覚悟しました。

最初SEOに出会った時に、自分に合うなって感じてやったの?それともやってみてできたからやった感じ?

大学2年生の時にアスタミューゼ株式会社(当時株式会社パテントビューロ)でインターンというかアルバイトをさせてもらうことになって、今でいうコンテンツマーケティングという考え方を教えてもらいました。自分の作ったコンテンツで人がくるというのが面白いなと思って、SEOみたいなことをやっていました。

その頃からだったんですね。

お金がないところから集客したり人を呼ぶというので・・今思えば結構費用かかっているんですけど・・困っている会社さんが結構いて、その解決方法のひとつとしてSEOができますよというのはニーズがあるんだなと思い、自分の能力を売っていましたね。

そこからSEOでやってきたんだね。

10年前はコンテンツを作るというより、テクニカルな知識があるかどうかというところで勝負をかけられたというのもあったかもしれない。

それを知っててちゃんとやってきたから、自信もあったということだよね。

フリーランスとして生きる道

クライアントはどうやって増えていったの?

ひとつはスタディプラスを辞める時に声をかけていただいたのと、あとは学生時代に運営していた学生団体のプラットフォームのつながりとかもありました。大学生の時に世の中の課題を解決するぞという活動をしていた人たちが今は起業家になっていたりして、そういう人たちから声をかけていただいたりしました。
キャリアパークを運営しているポート株式会社代表取締役の春日さんは学生団体をやっていた方で、私のことを知っててくれたから、うちの会社を手伝ってくれない?と声をかけてもらいました。
そこからメディアバブルが来たので、コンテンツマーケティングを手伝えることが私のスキルとして色んな所に売れていった感じでした。

5年くらい前からコンテンツバブルがきたよね。

それからDeNA系で一回はじけて、SEO一本だったのがウェブマーケティングをまるっと見るようになった感じでしたね。

フリーランスになって人づてのお仕事がきたようですが、それは学生時代に積極的に交流していたんですか?

どちらかというと積極的に交流するというよりは、サイトを作っている謎の人という感じだったと思います(笑)

交流していなかったけど、名前だけは知られている感じ?

はい、あのサイトを作った人ねみたいな感じでしたね(笑) 団体でわいわいとするとりも、一人でサイト作って数字を見て、「よっしゃ、伸びてる!」みたいなのが昔から好きだったんですよ。

数字ではっきりわかるしね。

数字が見れないと頑張れないタイプだから・・。普通の会社に務めて、3か月に1回目標達成してというスパンと変わらないのかなと。

多くの会社さんはそうだよね。今期の目標は?と掲げて、自分の責任範囲のことをやると。

フリーランスとして1か月単位で報告して、クライアントさんからOKをもらうというやり方の方が、自分としてもやりがいを感じるし、やっている感があって楽しいですね。

お客さんに、これが上がりました・変わりませんでした・下がりましたっていうのを報告して、来月これをやっていきましょうっていうのを伝えていく感じですよね。

そうですね。

普通、フリーランスを始めると、新規の案件に困ったり、自分ができる範囲以上のことを言われて困ったりと、乗り越えなくてはいけないハードルがあると思うんですけど、そういうハードルにあたったことは?

これを言うとあれなんですけど、案件がなくて困ったことはないんですよ。

この10年間ずっとですか?それはすごい!

いやいや、そうでしょ?井水さんもうちも、ぶっちゃけさ?(笑)

まぁ・・そうかもしれませんね(笑)

ちゃんとやれば、ひとつ終わったら次がきますね。今は一番いいのを選ぶみたいな感じになってきていて。

アプリマーケティングのコンサルタント

SEO以外の自分にはないスキルセットが必要な時ってあった?

アプリマーケティングを勉強しようと思ったことがあったんですけど、その時はちょうど知り合いがReproにいた縁で、運用グロースハック部門のお手伝いをするように。

Reproさんというと?

ReproはマーケティングのSaaSツールを作っている会社さんですね。最近マーケティング全般支援に方向を変えていますけど。

接客ツールとして今もいろいろな会社で導入されていますよね。

Reproを導入したのに使いきれていないお客さんに対して、マーケティングコンサルティングをしています。KPIツリーをたてて、アプリマーケティングをお手伝いしている感じですね。

どんなお客さん向けなんですか?

既にアプリを持っている会社さん向けですね。例えばGoogleアナリティクスだったら共通の知識として、ちょっと調べればやり方がわかるじゃないですか。でもReproはオリジナルのマーケティングツールなので、導入しただけで運用で困ってしまうお客さんが多いので、CSとは別に手厚くマーケティング監督をつけますよというのがReproの売り方ですね。

なるほど!

じゃぁ継続率とかARPU(アープ:ユーザー1人当たりの売上金額を表す指標)とかを見ながら、アプリを使い続けてもらうというのをやった感じですか?

はい。もともとスタディープラスの時も勉強SNSだったので継続率が課題だったんですよ。昔はFlarryや自社内でKPIを管理するツールを作って、必要な機能を作っていたので、Reproではその知識を合わせてアプリマーケティングをやっている感じですね。

もともとそういう下地があったんだね。アプリは独特なところがあるからね。ASO(アプリストア最適化)という概念はあるけど、SEOという概念とはちょっと違うし、継続率が重要でそれでほぼ決まるくらいのところがあるよね。

私はアプリ分析に手をつけたことがないので未知のゾーンですね。

ウェブマーケティングをやっている方であれば、アプリマーケティングは範囲的にできるでしょという感じですけどね。

アプリはウェブのごちゃごちゃしたところよりわかりやすいかなと思っています。集客はApple StoreやGoogle Playがやってくれて、アプリの中でできることはある程度限られていますけど、よりお金と密接していて。施策がやりづらい部分があったりするけどね。

情報をとるところまでは面倒ですけど、基本的にやることは一緒だと思いますね。

そう思いますね。Googleアナリティクスみたいなものがあって、それはFirebaseだったり自社ログだったりするんですけど、データをとっていくのも画面でとれるものとSQLを書かなければいけないものがあったりするんですけど、基本的にはやはりユーザーの行動をみて、継続している人と継続していない人は初日にとっている行動がどう違うのだろうとか、起動して何分くらい遊んでいるんだっけ・・等を見ていく感じですよね。

なるほど。

私もサイバーエージェントの時にソーシャルゲームのレベルデザインをやっていたので(笑) ガチャの確率から敵の体力まで設定して完全に数字の世界でしたね。設定したらその通りユーザーが動くから。だからどういう設定だったらユーザーは沢山遊んでくれるかなっていうのを見つけて、チュートリアルの時間を短くしてみたらどうなるの?みたいなものをテストして・・・と、基本的な考え方は同じだと思いますね。

アプリマーケティングはこまごまとしたABテストを繰り返して、1%ずつ改善していくイメージがありますね。

五味さんがこれまで担当したのはどんなアプリだったんですか?

マンガ、EC、ゲーム・・結構ひと通りやっていると思いますね。

色んなお客さんがいたんですね。Reproには五味さんみたいにツールを使って分析できる人が他にもいるんですか?

Reproには何人かいて、某分析ツール会社を抜けた人とか結構いましたね。

知ってます(笑) 分析ツールは、せまい業界なのでね(笑)

そういうオリジナルツールの勉強って自力で学ぶんですか?

Repro社内での勉強会もあるのでそれを活用することもありますが、色んなところでマーケティングをしてきた知見を活かしたり勉強したことを活かしたりですね。

極論をいうと、Reproさんじゃなくてもできるっていうね(笑) マーケティングのノウハウがあるからね。

なるほど、基本は同じだと。

アプリマーケティングをやっていると、どのあたりが定番になります?プッシュ通知とか?

プッシュ通知とインアップというポップアップとかですかね。

ゲームのレベルデザインでパラーメーターいじるのまではやらないかな?

そこまではやらないですね。プロフィールとか、イベントを何回やっているユーザーがリテンション高いかとか、アクションしているユーザーはアクション関連をつけてアクションを促進させる、とか・・。

なるほどね。五味さんは今ウェブとアプリはどのくらいの割合で見ているの?

ウェブが8、アプリが2くらいですね。

五味さんをアプリの人かと勘違いしそうでした(笑)

自分ではSEOが一番強いと思っているので、アプリ「も」できるよという感じですね。

一同:(笑)

逆にどこの分野はまだ手をつけていないとか、どこをやってみたいっていうのはあります?

ECをあまりやっていないんですよね。

ECは施策のパターンは大体あって、ページ構成もTOP-商品一覧-商品詳細ってわかりやすくて、商品の種別や種類数によって施策のお決まりもありますけど、ECサイトがSEOで戦うのって難しいなと思うんですよね。商品の種類数が多いAmazonや楽天が強いなと。そういう意味ではコンテンツって可能性があるなと思っていて、昔からやっていないところでも勝負できる感じがあるんですけど、どこでも売っている石鹸で自分のサイトを1位に上げるとなると難しいなって思いますよね。

自分が購買行動をしている時のことを思い返すと、施策がパッと出てこないですよね。

楽天で検索するかなーとかね(笑)

キャリアの中で一番大変だったのは?

ここ10年で一番大変だったなと思った時ってあります?

スタディープラスを作ってた時ですね。そこが一番つらかったです。

一同:(笑)

一緒にやった廣瀬さんという方が結構しっかりした方だったので・・・

ガンガン言われながら?

それもあるし、当時は自信もなかったので。自分の人生、これをやっていていいのかなと思いつつ、それでもやらないといけないし。

厳しかったの?

というか、基本2人だけだったので・・

ふたりしかいなかったら、やるしかないね(笑)

その時はアプリを作って?分析も?

全部やっていましたね。でもガチガチのエンジニアではなかったので、マークアップとかフロントエンジニアをやっていましたね。

実際のコーディングは別?

作る人は別ですね。

今の五味さんが当時に戻ってスタディープラスをやるとしたら、もっとうまくできたと思います?

うーん、できるかなぁ。一杯一杯だったので同じことをやるかもしれないなぁ。

スキルが原因とかではなくて、その状況が大変だったというわけですね?

そうですね。あの時に辛い経験をしたから、今はわりとなんでも出来ますね。

一度ツライ経験をしちゃうと、それと比べて相対的に高い・低いってなるからね。

そうですね。

リモート環境と働き方

小川さんも今までのキャリアで大手にいたこともあったりご自身でやったりと色んなキャリアを歩んできていますけど、一番つらいのはいつでした?

ここ1、2年はメンタルがきつい時があったのでそれが一番きつかったかな。どうやら自分のスケジュールが乱されるのが苦手で、常時20社くらいみているので、唐突に無茶なことを言われてそれに必死になって対応しているうちに、他のスケジュールがずれていってぐちゃぐちゃになっていく・・みたいなことは避けたいですね。

私も最近彼女と同棲を始めて、それまでひとり暮らしで1日16時間くらい仕事していたんですけど、それは続けられないじゃないですか。それでどこをどうやって時間を作るかってなると、色々ひずみが出てきたりして・・・時間管理って大変ですよね。

仕事を減らすしかないじゃんってなるよね(笑) でもいきなり明日から減らすわけにはいかないし、稼ぐことは稼ぐことで必要だけど。

一緒に住む人がいるとそれもなんとかしないといけないので。

今ってご自宅で働いているんですか?

そうですね。ここ2年くらいはお客さんと会うこともなく仕事していますね。

お客さんともリモートですよね、会わずに始まって、会わずに終わりますよね?

そうですね。

私も今オフラインの仕事というと、このインタビューか提案型ウェブアナリスト育成講座くらいですね。五味さんって、お住まいはどの辺ですか?

今は東京の東側あたりです。それまで新宿に住んでいて新宿ではぶらぶら出ることもあったんですけど、引っ越してからは本当に家から出なくなりましたね。

そうは言っても、食事とか買い物くらいは出るんじゃない?

月曜から金曜まで外に出ないとかはありますね。

えぇ?一度も?5日間?120時間?

全然・・ありますね。太陽の光に当たらないとか。

そういうのが苦じゃないタイプなんだね。今まではクライアントさんのところに往復移動して会いに行ってたわけじゃない。働く時間も含めてどう?働きやすくなった?

いい面も悪い面もあって、どっちがいいのかっていうのはわからないですね。今のクライアントさんと両方試したわけではないから。

途中から変わったところはなかった?

なかったですね。私のお客さんは2、3年くらいでやることがなくなって、もういいでしょってなるので。

わかる。SEOはある程度やったし、あとは商品を磨いてねっていうフェーズになっていきますよね。コアアップデートはどうでしたか?みたいな感じとかね。

それくらいのほうが健全ですよね。ダラダラお金をもらうほうがいいっていう人はそれでいいと思いますけど。

世の中の役に立つなら、他の会社さんをやったほうがいいっていうのはありますよね。

今って何社くらい見ているんですか?

6社見ていますね。

そこで分析したり施策を提案したり?

お客さんによってバラバラなんですが、今は新規の立ち上げが多いので楽しいんですがその分、忙しくもあり・・

新規って私は専門家ではないんだけど、数字を読もうとするの?この市場でいくならこれくらいの流入を1年後に確保できるみたいな。

そこに興味がある会社はシミュレーションしますね。興味がない会社は、その分実作業に時間を使うという感じですね。

SEOで数字を読むって、方法が色々なくはないんですけど、難しそうだなと思うんですよね。それでいまいち私自身はSEOに踏みきれない感じがありますね、

外部要因が大きいですよね。

メディアを立ち上げましょう、2年くらいでこれくらいのトラフィックにしたいとなった時に、これくらいコンテンツを作らないといけないのでこれくらいの予算になりますっていうのを出すんですよね。「大体そんなにかけられないよ」と言われることが多くて、「じゃぁその半分の予算で」となると、目標があやふやになってしまうことも多いですね。

以上、SEOコンサルタントとして活躍する五味さんのこれまでのキャリアや現在の働き方についてお話をうかがいました。次回はいよいよ提案型ウェブアナリスト育成講座についてうかがいます。

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