【寄稿】宣伝会議のアクセス解析講座「改善案の考え方と継続改善」に参加しました
こんにちは!
リスティング広告運用のフリーランス「アミジャット」として活動している、提案型ウェブアナリスト3期生の田島佑哉です。
今回は、宣伝会議のアクセス解析講座「改善案の考え方と継続改善」に参加しました。
私が今回の講座で関心を持った項目は「継続的な改善活動を行うための取り組み方」です。アクセス解析に限らず、日頃の業務の中で『最初は頑張れるけど、“継続”することがなかなか難しい』とい人も多いのではないでしょうか。
今回の「改善案の考え方と継続改善」では、“継続するコツ”も教えていただきましたので、伝えられる範囲内で講座内容を紹介します。
講座の講師は“ウェブ解析界のアカムトルム”こと、小川卓先生です。
目次
アクセス解析講座の内容
今回のテーマは「改善案の考え方と継続改善」で、DMAICプロセスでの「Improve:改善」と「Control:定着」に該当する内容でした。
「改善案の考え方と継続改善」で伝えていたポイントは、大きく分けてこの3つです
- アクセス解析の分析結果から改善施策を考える方法
- 実施した改善施策を評価する方法
- 改善施策を継続的に続ける方法
それぞれのポイントについて、どのような話をされたか紹介します。
①アクセス解析の分析結果から改善施策を考える方法
アクセス解析は難しいと思われがちですが、分析結果から得られる気づきと改善への考え方はとてもシンプルです。
- 良い点を見つける⇒どうやって増やすか?
- 悪い点を見つける⇒どうやって減らすか?
- 特徴を発見する⇒どうやって活用するか?
ここから具体的な改善施策を考えるコツは、「自サイトをよく見る」「同業他社サイトと比較する」「世の中の“良い”施策を保存する」です。
まず、アクセス解析数値の良い・悪いには理由があります。事前に『なぜ、その数値になったのか?』を仮説立ててから同業他社サイトを比較することで、サイトの見た目にとらわれることなく、「改善したいKPIにつながる施策」を発見しやすくなります。
そして、普段の生活の中で『このサイトのこの仕組みが良いな』と感じたときは、キャプチャーにとって残しておくことで、施策案のストックにつながります。
人間はすぐに忘れてしまう生き物。
『あの入力フォームを真似したいけど、どのサイトだったかな?』
と思い出せないこともしばしば。
少しでも気になったサイトに出会ったら、スクリーンショットでパシャリと保存しておきましょう。
また、アクセス解析の数字から考えることも大切ですが、「ユーザーの気持ち」から考えることも大切です。ワークでは「結婚式場の「チャペル紹介」ページの構成案を考える」を実施しました。
ウェブサイトに慣れてくると、ページの構成案も“よく見かけるテンプレート”に収まりがちですが、「ユーザーがそのページを読み終わった後の気持ちを想像してコンテンツを用意する」ことが必要とのこと。
「アクセス解析の分析数値」と「ユーザーのサイト上での“気持ち”」の両方を読み取るスキルが重要ですね。
②実施した改善施策を評価する方法
改善施策を実施すると、
『施策で直帰率は改善したけど、コンバージョン数は変わっていない』
↓
『この施策って効果があったの?無かったの?』
と、判断に迷う人もいるのではないでしょうか。
施策の成果を評価する際のポイントは、施策が直接影響を与える「直接指標」(直帰率や滞在時間など)と、サイトのコンバージョンに該当する「成果指標」の2軸で評価することです。
施策の評価を片方の指標で評価すると、間違った判断をしてしまい、方針を決められなくなってしまいます。
また、講座の中では『施策のテスト期間はどれぐらいが適切か?』といったFAQも紹介しました。個人的には「ABテストの真理」の解説が面白かったです。
なんでもかんでも「ABテスト」を実施して、「ABテスト」を実施することが目的になってしまっているという話も良く聞きます。
・なんのためにABテストを実施するのか?
⇒仮説を検証するため(ユーザーのことを知るため)
・細かな部分のABテストを繰り返しても効果は出にくい。
⇒実施する前に『もし自分だったら、そもそもAとBの違いに気づくか?』と考えてみる。
ABテストは「何を検証したいか」を明確にしたうえで、施策案の幅もできるだけ広げましょう。
③改善施策を継続的に続ける方法
改善施策が継続しない(PDCAが止まってしまう)理由を、ステップごとに把握することが必要です。そして、継続的に改善を行うコツは4つです。
1:プロセスを可視化する
施策を実施するためには、別の部署や外部会社との連携が必要となります。
また、プランを考える時間や、施策をサイトに反映する作業など、時間的コストや人的コストが発生します。この部分が複雑に分かりにくくなっているため『手間がかかる』と感じてしまい、PDCAも止まりやすくなります。
そのため、
・施策の実施を最終承認するのは誰か?その際に必要な資料や手続きは何か?
・施策の実行者(社内エンジニアや制作会社など)と評価指標を共有できているか?
など、「Plan⇒Do⇒Check⇒Action⇒Plan」のプロセスを事前に整理することで、どこでPDCAが止まってしまっているかのボトルネックを発見しやすくなります。
また、プロセスのフローチャートを可視化することで、社内や社外との認識合わせも実施しやすくなります。
2:「施策内容」と「数値の変化」を一体化したシートを作成する
訪問者数や直帰率などの月次推移レポートを数値だけで作成すると、『この月に直帰率が変わっている理由は?』といった気づきを発見しにくくなります。
施策内容と数値の変化を合わせて確認できるシートを用意することで、施策の効果をより具体的に把握できるようになります。
Googleアナリティクスのメモ機能を使って、「〇月〇日:LPのファーストビューを××に変更」と、実施施策の履歴を残している人もいるかと思いますが、そのメモ機能の施策内容を数値レポートに反映するイメージです。
3:施策結果の要点を1枚にまとめたサマリーシートを作成する
重要な情報をより多くの人に短い時間で伝えるため、要点を「1枚のみで3分で読める内容」にまとめたサマリーシートを作成すると有効です。
私はリスティング広告運用の成果報告レポートに、このサマリーレポートを作成するようにしています。(定例ミーティングは短時間で終わらせたいので…)
4:施策を皆で「KPT」で振り返る
KPTとは
・Keep⇒実施して良かったことで、今後も続けたいこと
・Problem⇒今回気づいた課題で、次回は直したいこと
・Try⇒新しく試してみたいこと
を確認して決めることです。
デザイナーやエンジニアなど、施策に関わった皆で「KPT」を振り返ることで、施策実施に一体感が生まれ、PDCAの取り組みも前向きに振り返ることができます。
アクセス解析講座「改善案の考え方と継続改善」に参加した感想
色々なセミナーに参加していますが、「成功事例」や「勝ちパターン」の紹介だけで終わってしまうものが多いです。
実際、私も自分で勉強会を主宰したときは、「皆で考えよう」よりも「成功事例を紹介」の方が、参加人数が多かったです。ただ「成功事例」や「勝ちパターン」といったものは、どの案件にも応用できる部分と、その案件だから成功した部分の両方があります。
小川先生も講座の中で『紹介した施策の成功事例を真似して欲しいわけではなく、成功を発見するためのプロセスを覚えて欲しい』と仰っていました。
実施した施策の全てが成功するとは限らない中で、「成功を発見するまで挑戦する」という“マインドセット”を持たせてくれる講座だと感じました。※“マインドセット”は最近覚えた言葉だったので、カッコつけて横文字を使ってみました。
最後に、アクセス解析講座に参加させていただき、ありがとうございました!