増子愛 × 小川卓 対談 (3) 数値的根拠で改善提案へ

ウエブル 増子愛 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談 (3) 数値的根拠で改善提案へ

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HAPPY ANALYTICSの小川卓対談企画。第五回のお相手は、提案型ウェブアナリスト育成講座第3期卒業生で、(株)ウエブル 代表取締役 増子 愛氏。

全3回でお届けする対談の最終回は、提案型ウェブアナリスト育成講座で得たというビジネスロードマップとカスタマージャーニーについて、また将来の展望について伺いました。増子さん作成資料も公開です。

対談のお相手

増子 愛
Megumi Masuko

(株)ウエブル

(株)ウエブル 代表取締役 増子 愛(ますこ めぐみ)
富山県出身。大学で東京に行き、新卒で富山のHR系SaaSの会社にプログラマとして入社。SaaS開発、ECサイトの店長、フリーランスを経て2016年株式会社ウエブルを設立。2019年提案型ウェブアナリスト3期を修了し、分析を活かしたコンサルテーションの幅を広げて活躍中。

進行役はエスファクトリーウェブディレクター兼HAPPY ANALYTICS 広報の井水朋子が務めます。

(3) 数値的根拠で改善提案へ

増子さんのプレゼン資料公開

小川
小川

講座での増子さんのプレゼンは、なかなか面白かったですよね。紙芝居みたいなヤツ。「ところで、一方は・・」というフレーズが入って、「紙芝居始まったぞ」みたいになって(笑)

井水
井水

紙芝居みたいなレポートってあんまりイメージわかないんですけど、小川さんが気になったポイントは、テーマが移っていく感じですか?

増子
増子

今もありますよ。これです。

小川
小川

これこれ。そうです。プレゼンとしてはいいんです。お店の人の実感値をヒアリングしているなどなど、中身もとてもいいんですよ。聞いている側も、すーっと入ってくるんです。話は変わりまして・・って(笑)

全員:笑

小川
小川

レポートに増子さんの性格がそのまま出ているんだなと思いましたね。

増子
増子

語り部みたいで・・改善しなきゃいけないですよね。最近作ったレポートから改善して、最近作ったのはまじめですよ。

某日用品メーカー様公式ECサイトの現状分析改善レポートの1ページを本ページ公開用に再現していただきました。
小川
小川

まじめというか、あえてまじめにしたというか(笑)

増子
増子

これは、馬場さんに相当しごいてもらいました(笑)

小川
小川

馬場さんは提案型ウェブアナリスト育成講座の卒業生。

井水
井水

すごい、期も違うのに、どういう流れで。

増子
増子

馬場さんとはありがたいことに、提案型ウェブアナリスト育成講座の卒業生slackの中でお知り合いになり、交流が始まりました。今回、半年ぶりくらいに、提案型のレポートを作ろうとして、データとにらめっこして、数値から提案につながらない、改善につながらないと、モヤモヤしていた時に、卒業生slackでやり取りしたら、馬場さんが「壁打ちしますよ」って言ってくださって、忙しい合間を縫って週に2時間くらいずつ壁打ちしてくれました。

井水
井水

すごいですね!

小川
小川

不思議なご縁でつながって。。ありがたいですね。卒業生の交流は、今後もしていきたいけど、コロナで飲み会はできていないですね。この間も卒業生向けにGoogleアナリティクス4の勉強会をしましたけど。

増子
増子

オンラインで参加させてもらいました。

(参考リンク)

この卒業生インタビューの第一回で馬場さんにインタビューしています。

ビジネスロードマップとコンセプトダイアグラム

増子
増子

講座で学んだことでいうと、ビジネスロードマップとコンセプトダイアグラムが良かったです。

井水
井水

講座を受ける前と後だと、分析の仕方が変わりました?

増子
増子

前までは、局所的に目についた値を見ていました。全体像が見えていなかったんですね。講座でビジネスロードマップとコンセプトダイアグラムを学んだことで、全体の中のどこがボトルネックになっているのかというところを見られるようになり、本格的に体系だててできるようになりました。

小川
小川

なるほど。

増子
増子

ビジネスロードマップを、データポータルにしたのがこちらです!

増子さんがe-花屋さん様のサイトで作成したデータポータル画面。サイト流入~サイト訪問~商品詳細~購入のロードマップおよび、ランディングページのデータが一目でわかる。店長さんとの戦略立案と仮説検証や、お客様内製チームの粘り強い改善作業の末、20万円台だった収益が半年後に200万円近くへ。
小川
小川

いいですね、いいですね、すごい!見やすいですね。

増子
増子

ありがとうございます。

小川
小川

左から見ていって、KPI、数字を入れて頂いていて、うんうん・・

井水
井水

データポータルをこんなおしゃれに作っているの初めてみました!

増子
増子

ありがとうございます。一応デザインも、元々一人Web制作工場だったので少しこだわっているかもしれません。

小川
小川

そこは人それぞれバックグラウンドがありますよね。ウェブ畑からくるか、制作畑からくるか、広告畑からくるか等など、このあたりの特徴や癖ってやっぱり出ますね。

井水
井水

私は同業ながら、すごいな、わかりやすいなって、ちょっと感動しました。

増子
増子

ありがとうございます。

小川
小川

いいですよね。

増子
増子

励みになります(笑) しかし本当にすごいのは、分析結果を元に、気の遠くなるようなPDCAの改善作業を半年にわたって粘り強く続けられたe-花屋さんの店長さんとスタッフさんです。ゼロイチからはじめて、売上が10倍になる過程を伴走させて頂いたことが私たちにとっても貴重な学びになりました。

増子
増子

最近作ったレポートは、各ページへの流入を数字で見える化して、どこの数字が思ったよりも良いか悪いかを表現しています。

某日用品メーカー公式サイトの流入分析。本ページ公開のために数字を変えて再現してあります。
小川
小川

いいですね、ちゃんと整理していて。パッと見、どこに人が多くて、どこを改善できそうかが判断できますね。こういうレポートがないと、改善とはあまり関係ないところから手をつけてしまうこともありますからね。

増子
増子

全体の中でどこをてこ入れしたらインパクトが大きいのかが、優先順位づけができるのと、意図したところに意外と集客できていないといったことに気付けたりと、非常に役立っています。ちなみに、こちらの某日用品メーカーさんは、昨年からお付き合いがあったのですが、今年になって、「小川先生の資格をもっていましたよね?」と言われ、提案型のレポートを作成しました。50項目にわたる改善施策が出て、優先度の高いところから着手していますが、「ビジネスや社の体制など、いろんな経緯を理解した上での情報提供がうけられている」と喜びの言葉をいただいています。

2019年提案型ウェブアナリスト育成講座の卒業記念写真
(増子さん提供)

分析を「社内の集合知」にしていきたい

井水
井水

今後していきたいことや夢はありますか?

増子
増子

分析を社内の集合知にしたいですね。

小川
小川

どういうことですか?(笑)

増子
増子

実家での仕事の時も属人化を排除するために、誰でもできるようなシステム作りを考えましたが、制作会社では属人化をなかなか排除できないんですよね。

小川
小川

なるほど、お客様との関係もあるし、自分では作れないこともありますからね。

増子
増子

サイト制作は、なんらかの成果を求めて制作することも大事なので、それに関わる者として、最低限ウェブ解析に基づいた話ができたり分析・改善、その先にある結果を見据えた制作をしていくべきだなと考えています。ただ、テンプレートを使って分析できたとしても、それ以上のビジネスを理解して、その数値からどう改善を出すかというのはなかなか難しいですね。そこで、日々データを見ながらメンバーと話していく中で、それを集合知として、ノウハウを育てたいなと。

小川
小川

全員が分析できるかというとなかなかね。分析の仕方や虎の巻、こういう改善案ならいけそうとかね。

増子
増子

あとは、クライアント様のサイトが作りっぱなしにならないように、今後の提案の中でウェブ分析をメニューに入れていきたいなと考えています。そういえば、馬場さんに、「来年には、一人ぐらいはウェブ解析士を専業で雇えるようにしたいですね。」って言われてます。

小川
小川

分析専業じゃないけどね。

増子
増子

分析を当たり前にできる制作会社になりたいです。

小川
小川

提案型ウェブアナリスト育成講座卒業生のslack部屋では、サイトURLを送って、改善のアイデアを出してもらいましたけど、そんな感じでアイデアを出し合えるといいですよね。増子さんにアイデアをもらったり、増子さんが持っていなくても、ほかの人からアイデアをもらったり。色んな人からアイデアをもらうということも、やっぱり大事だと思いますね。「自分のベースがここだから、もっといいことありませんか」って聞いちゃっていいわけで。

増子
増子

ひとりで見るよりも、多様な視点からみることで、偏りなくみることができますね。多様なバックグラウンドを持つ人へのリスペクトがあり、その多様性・多様な視点を大事にしているところも、提案型コミュニティの素敵なところだと思います。

小川
小川

サイトにずっと携わっていると、今までの経験を踏まえた視点になっちゃうからね。アイデアを色んな人からもらって、データを踏まえて、これを試す価値がありそうってできるといいのかなって、思いますね。前の会社にいた時は、新しい人が入ってくると、その人にサイトを見てもらったりもしていましたね。「あ、そこでつまづいちゃう」みたいな事も結構あります。「これわかりづらくないですか?」って言われて、初めて気がつきますね。経験するほど、わかりづらいっていうことがわからなくなってしまうと。

増子
増子

当たり前になっちゃうんですよね。

小川
小川

詳しくない人が見た方がいいっていうのもあるんで。

増子
増子

いろんな人を巻き込んでやっていきたいですね。

小川
小川

それがなんかね、社内に伝わって出てくるといいんですね。

富山にウエブルあり!

井水
井水

個人的な夢はありますか?

増子
増子

増子個人ですか!増子個人としては・・・

東京に行きたいですね!口実はいつも探しているんですけど(笑)

小川
小川

アピールしておいた方がいいですよ。

増子
増子

東京。東京に行きたいです!(笑)

小川
小川

東京の仕事募集中です!(笑)

増子
増子

なぜ東京にいきたいかというと、私は東京の大学に行って、学生時代に子ども産んで富山に帰ってきたので、もう少し東京でチャレンジしたかったなっていう想いがありますね。

小川
小川

社会人としてのチャレンジですね。

増子
増子

リモートワークを進めて、場所にとらわれずに仕事ができる環境になってきたと思うんですよ。東京の仕事を富山でしてもいいし。そこで得た知見を富山に持ち帰ることもできるので、地元への貢献にもなると思っています。もともと、小川先生のセミナーを東京で受けさせてもらって、富山のブランドにも貢献できるという喜びもあって、両方をしていきたいなと思っています。ウエブルは、東京にもオフィスがあるんですが、東京勤務の子も今、分析を勉強してくれています。

小川
小川

仕事募集中です!(笑)

一同:(笑)

小川
小川

10年後、20年後ってどんなイメージされていますか?

増子
増子

野望だけ言うと、100人くらいの会社にしたい!

小川
小川

もっと貢献できると。

増子
増子

東京にも福岡にもベンチャーみたいな会社があると思うんですけど、富山にいる時、そういう雰囲気ってあんまりなかったので、モヤッとしたんですよね。「富山に帰ってきても、ウエブルっていう、おもしろいベンチャーがあるんだぞ」っていうことを、若い人に思ってもらえるような会社にしたいなと、目指していますね。

井水
井水

はい。人募集ってことですね。

増子
増子

デザイナーがいないんですよ。今はデザイナー!

小川
小川

アピールしときましょう(笑)

増子
増子

デザイナー募集中です!(笑)

 – ありがとうございました –

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