森和吉 × 小川卓 対談 (1)郵便局職員からメディアの世界へ

吉和の森 森和吉 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談 (1)郵便局職員からメディアの世界へ

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HAPPY ANALYTICSの小川卓対談企画。

第9回のお相手は、小川卓主宰の提案型ウェブアナリスト育成講座第6期卒業生で株式会社吉和の森代表取締役の森和吉氏。全3回でお届けします。

※本対談は2021年5月に行われました。

全3回の1回目となる今回は、森氏がどのように解析と出会い、デジタルマーケティングの経験を積み重ねていったかを伺いました。

対談のお相手

森 和吉
Kazuyoshi Mori

株式会社吉和の森 代表取締役 森 和吉(もり かずよし)
青森県八戸市出身。郵便局職員の窓口業務ののち、週刊誌、ウェブメディア、アプリ、モバイルサイト等数多くのメディア運営に携わった後、デジタルマーケティングを活用した集客を手広く行う。2019年株式会社吉和の森を設立。2020年3月提案型ウェブアナリスト育成講座第6期卒業。上級ウェブ解析士。チーフSNSマネージャー。

進行役はエスファクトリーウェブディレクター兼HAPPY ANALYTICS 広報の井水朋子が務めます。

郵便局職員からメディアの世界へ

井水
井水

今まではどんなお仕事をしてきたんですか?

森

もともと郵便局の窓口業務を3年くらいしていました。青森県八戸市出身で市役所で働きたかったんですけど、国家試験の一種・二種が落ちて三種だけ受かったので、郵便局に。窓口でお客様に貯金や保険を勧めていました。

井水
井水

郵便局とは意外ですね。

森

その中にニフティ通信があって・・・。

小川
小川

とても懐かしい話が出てきたね(笑)

森

当時私は映画が好きで3日に2本くらい映画を借りて、観てはレビューを書いていたんですね。

小川
小川

Niftyフォーラムですよね。

森

そうです。フォーラムに書いていたら、映画の記事を書いてくれませんか?と依頼が来まして、でも郵便局は副業禁止だったので、調子にのって郵便局を3年で辞めました。

一同:(笑)

森

そこからライターの仕事をするわけですけど、自分が稼げる金額の上限がみえてくるんですよね。

小川
小川

記事を書く時間と単価が決まってきますからね。

森

1文字何円という中で、がんばっても二十何万円。今後どうしようと考えていて、雑誌の作り方を学んだ方がいいのではと編集プロダクションに入りました。

小川
小川

どういう雑誌?

森

アイドル誌や演劇誌ですね。そんな中でちゃんとした会社に入りたいなとオリコン株式会社に入りました。当時のオリコンは週刊誌を作っていて、オリコンランキングなんかもありました。

小川
小川

オリコンランキングって結構インパクトがありましたよね。

森

私はというと、某有名事務所を担当して、そこに所属する歌姫が今週は競っています、みたいな記事を書いていました。あるとき週刊誌だけでなく、ウェブメディアを持とうという話になり、自分が担当することになりました。

小川
小川

お!ウェブメディアが出てきたね(笑)

森

当時ありがちだったんですけど、週刊誌もウェブメディアも作ってみたけど、ウェブがおろそかになってしまう感じでしたね。

小川
小川

社内のポジション的にも、弱くなりがちでしたよね。

森

そうなんですよ、それで許諾もなかなか得られなくて、そんな中でオリコンランキングから着メロをダウンロードさせてみたら、着メロバブルがきて、ヒットしました。 着メロって利益率が結構高くて、売上も会員も増えてという中で、オリコンランキングを活用した着うた・動画も作りました。

井水
井水

流行りにのっていた感じですね。

森

そんな中、サイバーエージェントのグループ会社でシーエー・モバイル(現・株式会社CAM)という会社からお話しがあって転職して、ガラケーの公式サイトを作ることに。

小川
小川

公式サイトって懐かしいよね。10kB制限とかあったよね。

森

今の写真1枚分の容量に色んなものを詰め込まないといけない感じでしたね。そんな中で、ソーシャルゲームを作り始めて、各社がスマートフォンから徐々に移行している中で、次はどんなビジネスをしようかという時に、当時の勤め先・シーエー・モバイルの出資していたピーシーフェーズ株式会社にジョインすることになります。

解析との出会い

井水
井水

そこではどんなお仕事を?

森

某大手ハンバーガーチェーン店と組んでガラケーやスマートフォンのクーポンのサイトを作っている会社で、自分は某菓子メーカーや某居酒屋に対して、会員組織を作って、新商品モニターやクーポンを使っての来店などをしておりました。会員を集めて人を流すというところで、Googleアナリティクスに触れる機会が出てきたんですよ。そこで、当時小川さんがUNCOVER TRUTHさんとしていた無料セミナーに行きました。

小川
小川

2015年ころですね。

森

小川さんの本を知り勉強した感じですね。この二冊の本ですね。

森

その後、HAPPY ANALYTICSからDMやメールが届くようになって、そこで提案型ウェブアナリスト育成講座のことを知ったんですけど、当時の会社では稟議(りんぎ)が通らないので見送っていました。

井水
井水

勤めながらだと難しい部分がありますよね。

起業のきっかけとなる事件

森

その後、不動産投資会社のデジタルマーケティング職に転職して、お問合せを増やしたり見込み客をナーチャリングするような施策をしていました。不動産投資クラウドファンディングというのができた頃で、集客や運用をしていました。そこで勤めていた会社が、ローンが通りやすいように通帳残高を改ざんするという不祥事を起こしまして

小川
小川

それって2、3年前でしたっけ?

森

そうです、よくご存じですね。

小川
小川

当時、ニュースで読みましたね。弊社は住宅系のクライアントさんも多いので。

森

今でも覚えているのが8月31日の金曜日だったんですよ。当時はグループ会社の取締役だった私は18時からメディア系の会社と会食の予定があって、3時間前の15時にこういうニュースが公表されるということで社内に知らされたんですよ。 会食をキャンセルするわけにもいかず、会食に向かっていると、その時にちょうどYahoo!ニュースから「通帳改ざん」とプッシュ通知がきました。

井水
井水

そこからの会食ですか!?

森

相手方さんも大人な方で何も言わないでくれたんですが、後から「実はあの時・・」という話をしたら、「すみません、知っていたんですけど触れませんでした」って話してくれましたね。

一同:(笑)

森

会食の後、家に帰って奥さんと23時のニュースを見ようとテレビをつけたら、その時のトップニュースにドンとでまして、あの時の奥さんの悲鳴がすごかったですね。

小川
小川

ご家族からしたら、不安ですよね。

森

週末、ヤフーの掲示板がすごいことになっていて、月曜日に出社するとクレームの嵐でしたね。結局、株価も5,000円あったのが150円くらいまで下がりまして、その後1年くらいかけて落ち着いて、それで起業したような感じですね。

小川
小川

起業した理由がすごいね。もともと起業したいっていうのはありました?

森

それまでも雇われ社長みたいな感じだったんですけど、やはり一国一城の主になりたいというのがありましたね。ただ、家庭内稟議がなかなか通らなくて。

小川
小川

そうですよね。

森

安心させる材料を提示させることができないできたんですけど、良くも悪くも事件があったことで、会社での仕事が少なくなったり、他の中間管理職も見事に退職していったりして、だんだん給与もディスカウントされるのではという噂まで出ました。 私はネットに実名を掲示板に出されていたのを内容証明を出したり、サイトに直接連絡して、消してくださいと送るようなことをして、奥さんがそばで見ていたんですよね。

井水
井水

それは思うところがありますよね。

森

そんな中でネット広告を副業でしないかという話がきました。

小川
小川

副業OKだったんですか?

森

それがダメだったので、アドバイスの代わりに食事をごちそうしてもらうような感じから始まりました。そのボリュームが徐々に増えてきて、扱う量が増えていったんですよね。ネット広告を代理店に依頼するとしたら手数料に20%ほどお支払いされますけど、それを考えてみたら結構な金額になってきたんですよね。当時はまだ会社を辞めるつもりはなかったんですけど、生活が担保できるようになるなと。

小川
小川

家庭内稟議が通るぞと。

森

はい、実際通ったんです。2019年の7月に辞めると言って、11月に起業しました

株式会社吉和の森を設立

森

ありがたいことに、前職からも業務委託でお仕事をもらったり、不動産関係の知り合いから仕事をもらったりしています。不動産の表も裏もみたので、本当は流通やメーカーのデジタルマーケティングをして店舗に流したり、モニターにお菓子を食べてもらってマーケティング施策を立てていうのをやろうと思っていたんですけど、結局不動産業界が多くて8割くらいですね。

小川
小川

会社名のこと教えてもらえます?

井水
井水

株式会社吉和の森というと

森

私の森和吉という名前を逆にしたんですよ。

小川
小川

すごいよね(笑)

井水
井水

一発で覚えられますね(笑)

森

自分たちが子どもの頃の60歳、70歳というと結構おじいさんだったんですけど、私が今51歳になってみて思うのは、「これはしばらく元気で長生きするぞ、70歳になっても元気だぞ」と。

井水
井水

人生100年時代ですね。

森

それなら自分の城を築いて、自分が培った知識で稼げる場所を作っておきたいと。今回作った会社は大きくしたり上場したりというのは考えていなくて、ひとり会社で、それだったら自分の名前を逆にして会社名にしてしまおうと思ってこの会社名になりました。

小川
小川

わかりやすいよね。

森

いいなと思って登記もしたんですけど、意外と会社名に助詞の「の」を入れている会社ってあまりなくて、「株式会社吉和の森の森と申しますけど・・・」というと、相手の方が「えっ」となるんですよ。

一同:(笑)

小川
小川

70歳まで働くってえらいですよね。私は60歳で働くのをやめるって決めていて、宣言もしているから。

井水
井水

60歳から何するんですか?暇を持て余しませんか?

小川
小川

ピアノを弾いたり、温泉に行ったり、趣味に生きようかと。それを健康なうちにやりたいなと。だから60歳ってきっとまだ健康じゃない?退職金を積み立てて、60歳までは稼ごうと。

一同:(笑)

小川
小川

43歳なのであと17年。健康でお金がたまっている状態でやめたいなと。今のところそう思っていますね。

井水
井水

60歳までの仕事を減らして、細く長く続けるという選択肢は?

小川
小川

ないね。スパッとやめたい!(笑) 若い人に任せたいって今は思っていますね。

森

私は動いていないと気が済まないタイプで、動いていないとボケそうなので、70歳になっても働いていたいですね。

小川
小川

私も動いていないといけないタイプだけど、仕事以外で動きたいですね。47都道府県の温泉に行きたいね。年に6回行っても8年かかりますからし、海外も行きたいし、ピアノも弾きたいし(笑)

井水
井水

森さんは地方のお仕事ってしているんですか?

森

もともと青森出身なので、同級生や家族から相談をいただいたり、不動産のつながりで関西から相談をいただいたりしていますね。先日も大阪に行ってきたんですけど、大阪の人って結構根掘り葉掘り聞いて、サイト制作にはお金を出すけど、ウェブ集客には「それ価値あるの?」ってなるんですよね。

小川
小川

そうだよね。

森

そんな時は提案型ウェブアナリスト育成講座の改善提案書の出番なんですよ。しっかり数字を交えて提案書を出すと、「是非とも」みたいな話になったりしてくれて。そのあと緊急事態宣言が来てしまったので、今は保留ですけどね。

郵便局の職員から始まり、色んな業界の経験を積み重ねながらデジタルマーケティングとして起業した森さん。

第2回では、2021年3月に卒業したばかりの提案型ウェブアナリスト育成講座について詳しく伺いました。

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吉和の森 森和吉 × HAPPY ANALYTICS 小川卓 対談 (2)
提案型ウェブアナリスト育成講座について

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